青梅市仲町の内科、小児科、皮膚科、循環器内科、消化器内科、内視鏡内科なら大河原森本医院

〒198-0082 東京都青梅市仲町251
機能性ディスペプシアってなに?

大河原森本医院の森本崇です。

今回は、コロナ禍のせいか胃腸症状に悩まれている方が増えているような気がするのでその話を。

 

皆さんはこんな経験をされたことはないでしょうか。

いわゆる胃の調子が悪い状態、「胃痛、胃もたれ、胸やけ」といった症状で病院にかかり胃カメラの検査をうけたが、悪いところは特にないと言われた。

正直、困ってしまいますよね。悪い病気が心配で検査をうけたので、問題ないと言われて安心は安心なのですが、実際調子が良くないのが検査後も続く。。。ズバリこの状態こそが「機能性ディスペプシア」という病気なのです。「ディスペプシア」というのは「消化不良」。ここ10年ほどで概念が整理されガイドラインが作成されたのですが、胃がん、胃潰瘍など目に見える病気はないのに胃腸の調子が悪い状態のことです。

原因はたくさんありすぎて困るのですが、主なものとして胃酸分泌異常、胃腸の蠕動障害、ストレス、偏った食生活が挙げられます。こういった要素が複雑にからみあって症状をきたすため、その治療にも時間がかかることが珍しくありません。主な治療法は、①内服治療、②生活習慣や生活環境の見直し、です。①については1)胃酸分泌抑制薬、2)胃腸蠕動促進薬、が推奨されています。胃の消化、吸収に最も影響を及ぼすのは何といっても胃酸による粘膜への攻撃ですし、胃が疲れてくると消化・吸収速度が遅くなり蠕動低下につながりやすいからです。②については人それぞれなのですが、大まかにいうと13食大体決められた時間にバランスよく食べ、睡眠時間を確保し、ストレスない生活を送る、ということです。書いていて私自身も実践できているとはとても言いがたいのですが、それだけ多くの要素が胃腸の機能に影響を及ぼす可能性があるということをご理解ください。

人間は疲れた時やストレスが強くなると、からだになにかしらの異常を訴える信号が出てくると思います。それは、人によってじんましんだったり、口内炎だったり、動悸だったり。。。胃腸症状もその一つだったりすることもあります。それはある意味、その人の「個性」、「体質」ともいえるのでどこまで「病気」として治療していくかは難しい問題です。ただ一つ言えるのは、もしその症状で日常生活に支障が出ているのであれば、改善できるよう取り組んだほうが良いということです。

検査では問題なかったからこの調子の悪さは気のせい??いいえ、そうとはかぎりません。まずは、消化器内科専門医にご相談ください。