青梅市仲町の内科、小児科、皮膚科、循環器内科、消化器内科、内視鏡内科なら大河原森本医院

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暑熱順応

大河原森本医院の森本崇です。
今年も猛暑がお盆を過ぎても続いていますね。

先日、産業医の勉強会で「暑熱順応」という言葉を知りました。

簡単に言うと「暑さに慣れましょう」ということですが、それが今年は特に大事になってきています。
例年ですと、熱中症患者さんの救急搬送件数が一番多いのは8月というより7月下旬になるのでこの言葉が大事になるのは7月ということになります。

ただ、今年は、

  • 1) 梅雨が長引いたことで熱くなるのが遅かったこと(8月に入っての梅雨明けは例年に比べて10日以上遅かったようです)
  • 2) 新型コロナウイルス感染拡大により外出する機会が減っていること

などが原因と考えられる熱中症患者さんがまだまだ増え続けています。友人の救急医師も外出先よりも自宅での熱中症発生が特に多い、と言っていました。

当診療所にも、風邪症状はないものの体温だけ上がってしまっている方の問い合わせが非常に多く、そうなってくると体温上昇が暑さによるものなのか感染症によるものなのかの区別が難しくなりますし、自宅待機はもちろん、コロナウイルスPCR検査まで考えざるを得なくなってしまいます。(ちなみに青梅市はドライブスルーPCR検査を毎週火・金曜に青梅市立総合病院にておこなっています)

そのため、月並みではありますがやはり日頃から暑さに接しておくことが重要になってきます。

  • 1) 朝もしくは夕の気温が30℃前後の時間帯に
  • 2) ご自身のペースで30-60分間くらいの散歩をおこなう (もっと長くと書いてあるものもありますが正直言って90分も歩くのを毎日続けるのは大半の人にとって非現実的でしょうし、これはあくまで暑さに順応するためなので早歩きをしたり、がんばって腕を振ったりする必要もありません)

このような習慣を続けていただくことにより、

  • 1) 血流が良くなることで熱を発散しやすくなる
  • 2) すぐに汗を出てきて蒸発させやすくなる

という効果が期待できます。一般的には1週間程度で体が対応してくると言われています。
それだけでなく、朝に直射日光を浴びることは体内のセロトニンという体を活性化させるホルモンの分泌を増加させ、その結果、睡眠を司るメラトニン分泌が活発になります。

テレワークになって熟睡できなくなったという若い方が時々受診されますが、そういった方には薬物療法よりも朝や休憩時間の外出をお勧めしています。毎日の通勤やランチタイムの外出も実は役に立っているのがわかりますね。
また、ご高齢の方とお話ししていると、毎朝の体操教室が中止になっている、ジムにも行きづらくなっている、とお聞きします。コロナウイルスは確かに感染を予防すべき問題ですが、散歩程度で簡単に感染するウイルスではありません。外出する機会が減ってきている今こそしっかり散歩する習慣をつけて暑さに負けない体作りを行っていきましょう。

ただし!
単に汗をかいたり熱が上がることと、熱中症は全く異なります。

  • めまい、立ちくらみ
  • 吐き気
  • 体がつる、けいれんする
  • 頭がぼーっとする

こういった症状は、発熱によるものではなく熱中症の初期症状ですので要注意。外出中であればすぐに涼しいところに移動してください。外出前後は飲みやすいものでいいので必ず飲水をおこないましょう。